OpenSCAD

TE02 OpenSCAD Tips

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ライブラリ

ライブラリのフォルダパス

インストールフォルダの中にlibrariesがあり、MCADのフォルダ内にファイルが入っています。

OpenSCAD MCAD Libraryは、OpenSCAD(オープンソースの3D CADソフトウェア)で使用される標準的なライブラリの一つです。MCADは「機械コンピューター支援設計(Mechanical Computer-Aided Design)」の略で、機械システムの設計・製造に使われるソフトウェアを指します。

このライブラリは、OpenSCADで3Dモデルを設計する際に役立つ、あらかじめ定義された様々な形状や機能を提供します。具体的には、以下のようなものが含まれています。

基本的な形状: 丸みを帯びた箱(roundedBox)、多角形(hexagon, octagonなど)、円錐(cone)などの基本的な2D/3D形状。
機械部品: ねじ(screws)、ナット(nuts)、ボルト(bolts)、ギア(gears)など、機械設計でよく使われる部品。
ユーティリティ: 寸法設定や位置調整など、モデリングを効率化するための関数。
MCADライブラリを使用することで、これらの部品や形状をゼロから記述することなく、OpenSCADのコード内で簡単に呼び出して利用できます。これにより、複雑なモデルの作成をより効率的に行うことができます。

OpenSCADにはMCADライブラリがバンドルされていることが多く、多くのシステムで追加のインストールなしに利用できます。ただし、システムによってはパスの設定などが必要な場合もあります。

バージョンが古いと動かない場合もあるので、確認して入れ替える必要があります。

GitHub - openscad/MCAD: OpenSCAD Parametric CAD Library (LGPL 2.1)
OpenSCAD Parametric CAD Library (LGPL 2.1). Contribute to openscad/MCAD development by creating an account on GitHub.

標準だとMCADが入っていますが、そのほかにもあります。

OpenSCAD - Libraries
OpenSCADはプログラミング言語のように記述して3Dモデルを作成するため、様々な人が作ったライブラリを「インクルード(include)」して利用することができます。MCADライブラリはその代表的なものですが、他にも多種多様なライブラリが存在します。

主なライブラリとその特徴をいくつか紹介します。

1. BOSL2 (Belfry OpenSCAD Library v2)
特徴: OpenSCADのライブラリの中でも特に人気があり、機能が豊富です。基本的な形状に加えて、複雑なアセンブリ(部品の結合)や、フィレット(角の丸め)や面取り、ネジやギアといった機械部品の生成、さらにはアタッチメント機能(部品同士の位置合わせを簡単にする機能)など、高度なモデリングを効率化する多くのツールを提供します。OpenSCADの「Manifold」バックエンド(新しい高速レンダリングエンジン)との相性が良く、大規模なモデルでも高速に処理できるとされています。
用途: 機械設計、複雑な部品のアセンブリ、より洗練された形状の作成など、幅広い用途で利用されます。
2. Metric Fasteners (Giles Bathgate作)
特徴: ISO標準に準拠したメートルねじ(ネジ山)やナット、ボルトなどの生成に特化したライブラリです。正確な寸法でネジ部品を作成したい場合に非常に役立ちます。
用途: 機械設計、3Dプリンターでのネジ部品の作成など。
3. KeyV2 (キーキャップ生成用ライブラリ)
特徴: キーボードのキーキャップを簡単に生成するために設計されたライブラリです。現在開発は停止しているようですが、それでも十分に利用価値があります。
用途: カスタムキーボードの設計、キーキャップの試作など。
4. GridBeam Library
特徴: グリッドビーム(四角い穴が格子状に開いた構造材)を使った構造物の設計を支援するライブラリです。ビーム、棚、ボードなどの部品を簡単に生成し、配置できます。
用途: DIY家具、実験装置、プロトタイピングなど、グリッドビームを利用した構造物の設計。
5. OpenSCAD threads.scad Module
特徴: 効率的なOpenSCADのスレッド(ネジ山)ライブラリです。メートル法に対応した内ねじ、外ねじ、テーパーねじ、クリアランスホール、皿穴、六角ボルト、ナット、ワッシャーなど、様々なネジ関連部品をサポートします。
用途: 精密なネジ接続が必要な機械部品の設計。
6. その他
上記以外にも、特定の用途に特化した様々なライブラリが存在します。

2Dshapes.scad: 様々な2D形状(多角形、楕円の一部など)を生成するライブラリ。
fonts.scad: テキスト関連の機能を提供するライブラリ。
lego_compatibility.scad: レゴブロック互換の部品を生成するためのライブラリ。
constructive library: 複雑で補完的な機械部品をより少ないコードで作成することを目指したライブラリ。「Stamping」アプローチにより、他のCADシステムで知られる制約の代替として、部品の嵌め合わせを素早く作成できます。
OpenSCAD ClosePoints Library: ポイントのリストから多様な形状を簡単に作成するための汎用ライブラリ。
ライブラリの利用方法
これらのライブラリを使用するには、OpenSCADのコード内でuse <ライブラリ名.scad>;またはinclude <ライブラリ名.scad>;という形式で読み込みます。通常、ライブラリファイルはOpenSCADが認識する特定のディレクトリ(ユーザーライブラリパスなど)に配置する必要があります。

多くのライブラリはGitHubなどのコード共有プラットフォームで公開されており、ダウンロードして利用できます。OpenSCADの公式ウェブサイトのライブラリページも参考になります。

OpenSCADの魅力の一つは、このような豊富なライブラリの存在であり、それらを活用することで、より高度で複雑な3Dモデルを効率的に作成することが可能になります。

使用例

// Involute Gear Generator using MCAD library
// Include MCAD library for gear generation
include <MCAD\involute_gears.scad>;

ファイルを参照します。

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